2004年 グレイス夫妻を囲んでat ザ・ジョージアンクラブ

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2004年 グレイス夫妻を囲んでat ザ・ジョージアンクラブ

前日のチャリティディナーの余韻が残る午前10時、全ての荷物を抱えて車を西麻布にとばします。
この日を指折り数えて待っていてくださったみなさまに楽しく過ごしてもらえるよう、3人で作戦会議。あーだーこーだと意見を交わし、ゲストにお渡しするポスターとペンを用意して、いざ出陣!

日時: 2004年1月25日(日)
会場: ザ・ジョージアンクラブ
協賛: リーデルジャパン

この日の会も人気が高く競争率の激しい抽選となりました。北関東や九州と、遠方からおはこびくださった幸運なゲスト30名がまず案内されたのは2階の個室です。
本日は貸切ですから、ここでもアイスブレイクタイムを設けました。
階段を上がるとシャンパーニュワゴンに冷えたソーターのロゼとグレイス夫妻が待っている趣向です。握手をしたりポスターにサインをしてもらったり、積年の思いを伝えたり…。「全員とダイレクト・コンタクトができた」とディックとアンもご満悦の様子です。

ザ・ジョージアンクラブを貸しきって…

ポスターにサイン…って、どういうことでしょう?実は。
グレイス・ファミリー・ヴィンヤーズのエチケットをそのままポスターサイズにしたものは、隠れた人気グッズです。ダライ・ラマ法王からホームレス・ピープルにまで分け隔てなく渡し続け、その数 6,800個を数えるまでになった時計、そして以前は収穫を手伝う時に配られたキャップ。これらをグレイス・ファミリー三種の神器という。…わけではありませんが、いずれも非売品なればこそワイン同様希少価値が高く、手にした人はこのうえなく大切にしてくれるのであります。

4年前のチャリティ・イヴェントでも大活躍したこのポスターは、毎年ヴィンテージが変わるわけではありません。この年にグレイス・ファミリーのワイナリーが完成し、晴れてエステイトボトルになったこと。そしてワイナリー史上VERY BESTといわれ続けたヴィンテージ「1987」をモデルとした不変のデザインでございます。

アイスブレイクタイム こぼれる笑顔

スカーレット・オハラになった気持ちで降りていく螺旋階段から見下ろすダイニングルームは壮観の一言に尽きます。リーデルのグラスが整然と並び、大輪の白ユリ「カサブランカ」とグレイス・ファミリーのボトルが出迎えるがごとくセンターに鎮座している様は、そうそう経験できるものではありません。しかし。ここで舞い上がるのはまだ早い。ゲストはもちろん、ディック達も知らないサプライズが実は用意してあるのでした。
VIVAのワイン会は、以前どこかの会場で顔をあわせていたり、当選が判明してから連絡をとりあい連れ立って参加くださったゲストが多かったので、最初からにぎやかです。

グレイス夫妻が各テーブルをまわって食事をする試みは、広い会場で席次に不満が出てはいけないとの配慮からです。折角の機会ですから、みなさんお話したいですものね。
「エクセレント!65年生きてきた中で初めて食べる味だ」ディックがあっという間にたいらげたサラダはザ・ジョージアンクラブのシグネチャー・ディッシュのひとつでした。
フランスのミシュラン三ツ星レストラン『オーヴェルジュ・ド・レリダン』で修行した久高章郎シェフが野菜嫌いな妻のために、なんとか美味しく食べてもらいたいと苦心の末にあみだした、愛のこもった一品です。

ぜーんぶ空いてしまいました

2004年3月にリリース予定、設立から25年目にして初めてワイナリーが全工程に携わった単一畑=「ブランク・ヴィンヤード」とオリジナルの2001年をサイド・バイ・サイドで飲み比べ、現時点でダントツ人気の2000年に酔いしれ、ワイナリーから直送された完璧な状態の1992年を堪能。ましてやこのワインのために心血を注ぎたゆまぬ努力を続けてきたグレイス夫妻と同じテーブルを囲んで。。ともなれば、まさに至福の時です。と思うでしょ。
いやいや、こんなものではございません、VIVAの底力は。というより、VIVAファンのパワーと慈愛博愛の心は、というべきでありましょう。
メインの後のチーズが用意される頃、アナウンスメントが控えていたのでございます。
私のマイクを持つ手も、声も、心なしか震えているような…。
アナウンスの声と共に会場にどよめきが走り、ディックが思わず立ち上がる。
いったい何がおこったのか?
ザ・ジョージアンクラブの見目麗しいスタッフの手で、うやうやしく、そして高々とかかげられたマグナムボトルは、まさしく目の前のポスターと同じ1987年!
えっ?飲めるの、これ。みせびらかしているだけ?目の保養ですか?なになに、これ。

前述した「ゲストはもちろん、ディック達も知らないサプライズ」とはこのことだったのであります!
あの物静かなアンでさえ興奮気味。「87年をいただくのは本当に久しぶりだわ!」と目を細め「しかもマグナムとは…!」ディックもボトルをいとおしそうに手にとり、しげしげ眺めています。
この希少なボトルをこの日のランチョンのために御寄贈くださったのは、船橋でワインショップ「山城屋」を営む積田ご夫妻。最初で最後のVIVA Californiaツアーへのご参加以来カリフォルニアしか売らん!の意気込みと情熱で、その普及に心をくだく太っ腹カップルでございます。
「積立貯金の積田です。でもワインを知ってから貯金はぜんぜん貯まりません♪」と自己紹介された時の奥様の可愛い表情を、今も昨日のことのように思い出します。
急遽バカラやリーデルのボルドーグラスがテーブルに用意され、今だどよめくゲストたちも本当に飲めることを確信。狂喜乱舞、大喝采、拍手の嵐。積田夫妻には新郎新婦よろしくフラッシュの嵐。「この素晴らしいヴィンテージを、グレイス夫妻やみなさんとシェアできることは僕たちのこのうえない喜びです。」
く~っ、カッコイイ!積田さん。このスピーチ、たくさん練習してきたんだ、きっと!

ワイナリー史上、ベストを言われ続けた
87年のドナー積田ご夫妻

ここにワインの味わいや、ワインノートにつけるべきコメントを書くのはやめておきましょう。
この行動こそが、ディックたちがずっと続けてきた慈しみの心を体現するものですから。
どんな貴重なワインとて感想を語る相手もなしに、ひとりで飲むのは味気ないでしょう。
見返りを求めずにシェアするところにその意義があるのは、ワインに限ったことではありませんものね。そのときの心もちで、飲むワインも口にする料理の味さえ変わってくるものです。そしてこんなに美味しいワインを私はかつて飲んだことがあっただろうか。
胸に染み入る一献でした。みーんなを幸せにしてくれた積田ご夫妻、本当にありがとう!
サイレント・オークションや子供たちのお話でみんなの目頭が熱くなったのは前夜と同じです。
もちろんこの日の話と感動は、前日のそれとは違う形で胸におしよせてきます。
これからも毎日の暮らしの中で、ワインを通してそして通さなくても、こんな気持ちになれる瞬間で埋めつくされることを願いつつ。

ワインリスト

ALL PINOT NOIR

  • – 1998 ソーター ヴィンヤーズ ブリュット・ロゼ Soter Vineyards Brut Rose
  • – 2001 ピーター・マイケル ラ・キャリエア Peter Michael Chardonnay La Carrier
  • – 1992 グレイス・ファミリー ヴィンヤーズ Grace Family Vineyards
  • – 2000 グレイス・ファミリー ヴィンヤーズ Grace Family Vineyards
  • – 2001 グレイス・ファミリー ヴィンヤーズ Grace Family Vineyards
  • – 2001 グレイス・ファミリー ブランク ヴィンヤード Grace Family Blank Vineyard
  • – 1987 グレイス・ファミリー ヴィンヤーズ マグナム Grace Family Vineyards Magnum 積田様ご寄贈

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