私が永住を決意する勢いで渡米したのは1990年3月1日のことでした。このメルマガの 発行は3月2日になりますが、書いているのは1日。いろいろ感慨深く思い出しながら、そーだ!今回は私にとって 思い出深い銘柄特集にしよう、と思い立った次第です。 会員制レストランです。これまではフレンチと和食を融合させたお店でしたが、 シェフやスタッフを新たに迎え2005年10月1日をもってフレンチオンリーに生まれ変わりました。屋上には 都会の真ん中にいながらにして夜空に輝く星を眺めることができるバーもある西麻布の隠れ家的存在です。 今回私が頼みとするのが、洞爺湖ウィンザーホテルの「ミシェル・ブラス」でのメートル・ド・テールを経て、 「コリーダ」に迎えいれられた統括マネージャー兼チーフソムリエ氏。去年の秋にオーパスワンの垂直をやった のですが、まるでワインスクールにいるかのような完璧なセッティングでございました。 それもそのはず、ワインスクールでの講師も務めていらっしゃる。私がカリフォルニアから来日してワイン会 を行っていた頃からのおつきあいにて、今回わがままを聞いていただく運びとなりました。 グランメゾンならではの最高峰のサーヴィスを身につけたソムリエ氏のナイスな仕切り&オハラから移られた シェフによるVIVA 特選ワインにあわせた特別料理を堪能してください。コリーダは夜だけの営業なので、 一番早い時間からスタートします。 ○ 【ボランジェ スペシャル・キュヴェ】 007でおなじみジェームス・ボンドのご指定銘柄「ボランジェ」は、私の大好きなシャンパーニュでした。 昨年末に宣言した通り、ウエルカム・ドリンクの【ボランジェ】は、今年からVIVAの定番乾杯シャン パーニュになったので、これは毎回お約束でございます。 ○ 【キスラー】 この銘柄を初めて飲んだのは、セントヘレナ にあるピノ・ブランというお店でした。後にディック・グレイスたちとも頻繁に訪れることになったこのお店 ではロバート・パーカーをよく見かけたものです。ちなみにオススメは外のテラスでいただくランチかな。 「ダトンランチ」は、かけだしだった頃を思い出す懐かしさにつながる単一畑。 ○ 【フリーマン】 ワイン王国のコラムにも書きましたが、日本 女性として応援しています。初めて飲んだとき、レストランでうるうるしちゃったことが、つい昨日のようで す。先週いただいたこのヴィンテージも素晴らしかったので是非にと思いました。 ○ 【キャピオー】 2001年におきた911(ナインイレヴン)で犠牲となったファイヤーファイターズの遺族に寄付をするため、日本 のみなさんにこのヴィンテージを購入していただきました。当時、ショーン・キャピオーの奥さんがNYに いて、ともに安否を気遣ったことがきかけで、この銘柄を寄付を目的とするセールスに選んだ経緯がありました。 ○ 【ソーター・ヴィンヤーズ】 トニー・ソーターがダラ・ヴァレやルビコン、アロウホなどすべてのワイナリーから手を引き、PBの 「ETUDE」まで人手に渡してオレゴンに畑を買ったと聞いたときはショックだったー。だけどオレゴンを訪れる 気持ちにさせてくれたし、カネロスのブドウによる「ETUDE」とは、また違うものを造り出してきたトニーの 真摯な姿勢がうかがえるこの銘柄は、やっぱり特別です。 ○ 【グレイス・ファミリー ブランクヴィンヤード】 新潟中越地震で被災した子供たちをサポートするために、エッチングボトルをオークションにかけた銘柄。 全校生徒分の体操着や通学に必要なスキー板などたくさんのものを届けることができたんだなー。小千谷市長 からお手紙までいただきました。感謝の気持ちをこめて。 ○ 【シャトー・セント・ジーン カベルネ リザーヴ】 ワインスペクテーター誌上で96年のヴィンテージがオーパスワンをおさえて一位になったことからワイナリー が悲鳴をあげたほど人気に火がついた「サンク・セパージュ」は記憶に新しいところでしょうか。まだ学生 だった頃、地理学の教授が初めてのフィールドトリップと称して連れて行ってくれたワイナリーが、ソノマに あるこのシャトーセント・ジーンだったのでありました。あの頃って、カリフォルニアワインの歴史、とかを 教室で勉強してたんだわー。渡米したアニヴァーサリーヴィンテージ飲んでみようっと!
●メニュー <オードヴル4種盛り合わせ> - 和牛味噌漬け - 鮪とアボカドのサラダ仕立て - ラタトゥイユと穴子炭火焼き - いろりおなお肉のテリーヌ - 鴨のロティ イチヂクの燻製と赤ワインソース - フロマージュの盛り合わせ
☆感想☆ コリーダは、素晴らしく美しいお店でありました。美しい料理に、完璧なワインと、いつもながら、楽しい ワイン会にお招き頂き、本当にありがとうございます。 St. Jeanも素晴らしかったのですが、1990のボルドーはちょっと反則でしたか。でもおかげさまで幸せ(^^)v。 キャピオーとソーターは、外したけれど、いい勉強になりました。どちらも、その地域の常識を軽々と踏み越 えていることだけは、よくわかりました。スブラジア対決は、前半と後半でだいぶ印象が変わりました。始め はベリンジャーの方が華やかで好きだったんです。なじみの樽の香りもしっかりあるし。ところが後半、ファ ミリーのほうがぐっと深みがでてきて、はるか上に行ってしまいました。ワインは生き物だなあ、とつくづく 思いました。 〜とおるさん〜 ☆ちょこっとリポート☆ 今回シャトー・セント・ジーンに、なんとオー・ブリヨンをご好意でぶつけてきてくださった飽くなきチャレ ンジャーH先生は、予想に反して?(違わず)良い勝負となり(なってなかったかも…)反省の弁しきりで ございました。なんのなんの、ご参会のみなさまをこの上なくハッピーにしてくだりありがとうございました。 かぐわしく立ち昇るノーズは気品に満ち満ちて、会場全体が包まれ、良いヴィンテージのボルドーの実力 を見せつけられましたね。もっとカタいかと思いきや、タンニンが落ち着きシルキーさを舌に感じる練れた 状態。 いつが飲み頃かは全く個人の好みにて、私はあと5年後くらいに、もう一度めぐりあいたいと思いました。 負け惜しみに聞こえるエクスキューズは抜栓時間に大幅なハンデをつけてさしあげたことでしょうか(^^; かたや正午12時、こなた飲む直前。勝負をかけるわけではないので、ここまでしなくてよかったなーと私も 反省しきり。これまで5戦5敗のH先生に、つい情けをかけたのが仇となり…←まだ負け惜しみをいうかー。 そしてこれまたご好意でK先生がお持ちくださったスブラジア2本飲みくらべ、非常に興味深い結果となりま した。同じ畑、同じワインメーカーでもやはりポリシーを持って造りを変えると、こんなにも違いが明確に なることが、はっきりと分かりました。「畑でできる限りのことをしたら、あとはワインメーカーが やることなんてミニマムさ。」良く言われるセリフですが、やはり腕が物言う、とはことのことかと。 私は、樽香を控えしっかりした酸とピュリティを口中に感じるスブラジア・ファミリー派でした。とても貴重な 体験をさせていただき心から感謝いたします。こういった楽しみ方は、たまらない魅力です。いつかコングス ガードのナパ・ヴァレーとジャッジもこんなふうにしようと考えております。 キャピオーとソーターのブラインド比較も面白い結果となりました。結論から申し上げると、ソーター99は、 まだまだガチガチ。98は比較的柔らかかった印象でしたが、このヴィンテージをお持ちの方は、まだセラー で寝かせておいたほうが良いでしょう。あと5年後、そして8年後にまた飲んでみようかな。 キャピオーは自身がフランス系ということも造りに反映されているがごとく、リリース時よりはるかにフレン チーになっておりました。たしかにノーズにカリフォルニア特有の厚み、深みを感じることはできますが、 ブルゴーニュ好きの向きが、たばかられてもおかしくない仕上がりでございました。あまやかさが静まり、 かっちりした酸と、単体で表現することは難しい複雑さに富んだストラクチャーが魅惑的。まだカリフォルニア にいた頃、たいへんプロモートした銘柄なので、当時購入してくださった読者も多いかと存じます。まだセラー に残っていますか?イイコトあった日、開けてみてください。嬉しい気分が倍増しますよ!