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前号では、いきなりメインイヴェントであるライヴ・オークションの結果報告をしましたが、今号は、2日目のディナーに時計を戻します。
ホスピタリティ・イヴェントと呼ばれる各ワイナリーがホストするランチやディナー。この日を指折り数え、はるばるやって来る「ゲスト」達の肥えた舌を満足させるべく、シェフ確保のための攻防舞台裏が日の目を見る瞬間です。もちろんサーヴするのは、自社銘柄新ヴィンテージ&ライブラリーワイン。プログラムの到着を待って、ゲスト達は懸命に内容をおいかけます。なにしろ、蔵によって、招くシェフやスタイルなどバラエティに富んでいるので誰しも「トップ・レストラン」が創る料理&お目当ての銘柄のマリアージュを
楽しみたいと願うのは、人情というもの。昨年は、スポッツウッドとジョセフ・フェルプスを、リポートをしました。
DO YOU REMEMBER THAT ? かくして、今年の私は「BV」と「アラウホ」に照準を定めたのでした。
今、最も予約のとりにくいレストランのひとつ、ラスヴェガスの最高級ホテル「ベラッジオ」内にある『ピカソ』から、ジュリアン・セラーノを招ぶことに成功した老舗銘柄の「BV」=「Beaulieu Vineyard」ボーリュー・ヴィンヤード。(現地では通称ビーヴィーと発音、仏語でBeautiful
Place)1900年設立、オリジナルのオーナーは、フランス移民、そのトップラインの銘柄にもなっているジョージ・ラトゥール。カベルネの名声が高い蔵ですが、カネロスでのピノノワール栽培を最初に始めたのが、ほかならぬBV。時は1946年、第二次世界大戦終戦の翌年、ワインメーカーは伝説のアンドレ・チェリチェフ、そしてクローンの名は「BV5」でございます。
ワイナリーでのみ購入可能な、8月にリリース予定の限定ピノ・ノワール「マエストロ」や94年の「ジョージ・ラトゥール」と、愛を奏でるジュリアンのフルコースを目当てに、ゲストのリクエストが、殺到したといいます。
「ピカソ」レストランの壁を飾るのは、真のピカソの原画26点余。ここから、それまでの年俸の2倍の条件で引き抜かれるまで、SF市内にある「MASA'S」で、その腕をふるっていたジュリアン・セラーノ。(ジュリアン去りし現在、「料理の鉄人」で坂井シェフをロブスター対決でやぶったロン・シゲールが、「MASA'S」の総料理長におさまっています。ロブスター・ディッシュやクエールのサラダは絶品、SFへいらした際は、是非ご賞味あれ!)今夜はどのような夢を与えてくれるのでしょうか。
会場は、BV敷地内にある「ゲストハウス」。通常はワイン商やワインメーカーを招いての試飲会などに使われる、豪奢な家です。手入れの行き届いた芝生に歩を進めると、オードヴルやフルートグラスをのせたトレイを持つ、にこやかな笑顔に囲まれます。
「ハロー、わたくしの名はエィミー。ワシントンからまいりましたの。今回で2度目ですのよ。あなたは?」
「はじめまして、ボブといいます。BVはずっと訪れてみたかった蔵のひとつでして。いやぁ感激です。」
グラス片手に仲良く、握手をかわす光景が、そこかしこで見られます。今年のテーマとなった「ワインのサーカス」を、意識して点在するピエロやサーカスのパフォーマーたちが、芸を披露する中、登場した紳士…。ワインメーカーのジョエル・アイクンが、今宵のメニューとワインを紹介しながら、ゲストを迎えます。以下、メニューとワイン、簡単にご紹介しましょう。

☆ U―10 ディ・ボート・スカロップ ☆
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☆ ジュリアン・セラーノ 総料理長 ☆ |

☆ ラム・チョップ ☆ |
1)『アップル・シャンパンヴィネグレットのクラブサラダ』
●2000年のアンサンブル・ブランク (マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエなどのブレンド)
●リザーヴ・シャルドネー
クラブの火の通し方が、そのあまさを引き出した至宝の一皿。
2)『U―10 ディ・ボート・スカロップ』
●2000 マエストロ ピノ・ノワール
「U-10(ユーテン)」とは、帆立貝のサイズを表し、これは1ポンド=450gm、ミディアムレアにソテーした帆立に、リード・ヴォーのジュースが絶妙にマッチしたジュリアンの腕が光る作品。このジュースは、ウズラでも鶏でもなーんでも応用できそう(作れれば、だけど)。
3)『ウズラのファルシェ with マッシュルーム・リゾット ピスタチオ、フレッシュ・フォアグラとほうれん草をそえて』
●'99 ボーゾー(Beauzeaux)
ウズラ好きの私は、2人前いただきたい…と思ってしまったほど。ジューシーな肉に、ピスタチオとフォアグラの量・味つけともにこれ以上は望めまい、というほどのバランスでサーヴされた逸品でした。
4)『ラム・チョップ ローズマリーのポテト添え』
●'94 & '98 ジョージ・ラトゥール・プライヴェート・リザーヴ CS
ラム好きには、たまらないあの独特のフレーヴァーが、私は苦手です。今宵のラム、その臭みを感じさせなかった理由は、調理法はもちろんですが、エージングの期間、とのこと。長期熟成させたラム肉は、ローズマリーの香りを含んで、コクがあるのに、清々しい雄姿をみせていたのでした。
5)『アップルタルト・アップルサイダーリダクションとアップルパイ・アイスクリームと共に』
●マスカット・デ・ボーリュー
特筆すべきはデザート。甘いものが得意でない私が、お皿をなめるようにして?たいらげてしまったラスト・ディッシュ。アップルサイダーを長時間、煮詰めて作ったソースにアップルパイフレーヴァーのアイスクリームが添えられたタルトは、これだけ林檎づくしでも、しつこくならず、すべて違う表情をのぞかせる実に繊細な仕上がりでした。
ワインクイズに正解した人に、今夜サーヴされたワインがプレゼントされたり、各テーブルにマジシャンが訪れたり、炎を自在に操る美女がパフォーマンスを繰り広げたり…時間は瞬く間に過ぎていったのでした。美味なる食事とワインは、すべての人をハッピーにします。これにエンターテイメントが加われば、その相乗効果は計り知れません。この夜をしめくくるシェフとオーナーの挨拶に、コンサートさながらのスタンディング・オヴェーションで迎えるゲスト達の姿が印象的でした。
ちなみに、今年の「ファー・ニエンテ」は、ゲスト招待数100人、イタリアからフェラガモがやって来て、すべての女性のゲストにはスカーフ、男性にはタイがお土産として渡されたそうな。
「シャペレー」「ブライアント・ファミリー」「デーヴィッド・アーサー」「ハリソン」←これらのワイナリーの共通点は、何でしょう?答:プリチャード・ヒルに畑を有すること。29号線からレイク・ベリエッサに向かう道を折れて、くねくね道をひたすら走り、どんどんのぼったところにあるヒルサイドの畑。カリストガからナパのノースサイドまで、見渡せるほど標高の高いところです。この4ワイナリー合同のディナーは、今回の一番人気でした。なにしろ、スペクテーターのレストラン部門、総合評価で全米一に輝いた「チャールズ・トロッター」の総料理長(フードの評価は「フレンチ・ランドリー」が、頂点を極めましたが、ワインリストでは「チャールズ・トロッター」が大きく水をあけ、総合得点でトップに。現在はSFのルビコンで活躍するラリー・ストーンが、以前働いていたところです)と、「President of the Court of Master Sommeliers」の、フレッド・ディムがカップリングされている、招待ゲスト数わずか35席の夜でした。
ふたたび、オークション会場に戻って、ディナーやランチへのいざないは、こちらから
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