vol.6 プレミア ナパ オークション 2000

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今ナパはマスタード(菜の花)の真っ盛り。どのヴィンヤードも黄色い絨毯が敷き詰められた美しい光景が広がっています。そして梅雨が明け(カリフォルニアの雨季は冬)ようやくまぶしい陽射しが戻ってきました。しかしヒルサイドでは今頃のほうが明け方発生する霜に気をつけなければなりません。なにしろ日中の気温が30℃近く上がっても早朝は4℃くらいです。標高の高い畑に位置するところのワインメーカーやヴィンヤードマネージャー達は(たとえば噴霧器で水をこまかく撒く)眠い目をこすりながら大切な葡萄樹を守るため毎日頑張っています。
今回はショート・トピックスをふたつほど…。

トピックス1【フロッグス・リープ、4年に1度の大騒ぎ】

今年はうるう年。英語で「リープ・イヤー」といいます。というわけで2月29日、4年に1度フロッグス・リープが主催する盛大なパーティが開かれます。回を重ねる毎に多くなる招待客の数、今年はなんと600人。男性は緑色のネクタイ着用、女性も準ずる服装が求められます。グリーンのヘアバンドをして訪れた私(ちょっと地味だった…)を迎えてくれた今夜のスタ=ジョン・ウィリアムスはピカピカ光るグリーンの蝶ネクタイにタキシード。会場内に入ると…あれれ、皆さんかなりノリノリの格好です。スパンコールも鮮やかなグリーンのドレスを身にまとう人、顔が隠れるくらい大きなカエルのイヤリングをつけた人、中でも圧巻はセインツベリーのワインメーカー=リチャード・ワード。スキューバ・ダイヴィングの格好をしてカエルのワッペンをつけ、フィンをつけた足でのし歩く姿はタキシードの殿方達を凌駕するにあまりある…。ここまでできればアッパレ!まだ生きているのに伝説のワインメーカーといわれるハイジとボー・バレット夫妻も緑のスーツを着てステージのショウを楽しんでいます。ラザーフォードの垂直、カベルネの90年、92年、94年(近年のベストヴィンテージ)ダブルマグナムをしつらえたテーブルがそこかしこに設置され、どれが一番自分の口にあうかワイン談義に花が咲き…。賑やかな宴は夜中まで続いたのでした。どなたか4年後のパーティに私と一緒に行ってくださる方いらっしゃいませんか?男女不問!

トピックス2【プレミア・ナパ・オークション 2000】

2月27日に行われたトレードプロを相手のオークション。全米はもとより世界中からホテル、レストラン、高級ワインストアのオーナー、インポーター等々あらゆるワイン関係者が集まる祭典です。午前中はバレルテースティング。102ワイナリーがこぞってこの日のために特別なブレンドを用意しています。リヴィングストンやパルメイヤー、バーネットは6つのワイナリーが協力しあって造ったスペシャルブレンド、シャペレーからはスーパー・トスカニー・ブレンド…結構コッています。思い思いに試飲して自分が気に入った銘柄を探し午後のオークションに臨むわけですが、選択肢が多すぎて本当に迷います。それに自分が気に入ったからといって落札できる保証はないし。うろうろしていると憧れのジョン・コングスガードの姿が!「日本に紹介したいんだけど売ってくれるワインはありませんか?」「ケイがいい子にしていたら考えておくよ(笑)」ホントかな…。ランチをはさんでいよいよ始まったオークション。オークショニエはおなじみのクリスティーズからフリッツ・ハットン氏が口火をきります。
各ロット5cs単位です。私のサイトでもおすすめのパラダイムは$6,000、リストウは$7,000、ヴィアダーはなんと$15,000で落札されました。メルシャンが所有するマーカムも頑張って$3,500。大御所ダラ・ヴァレは会場がどよめく$31,000…!年々値がつりあがるワインたち。プロも必死のアプローチです。去年最高値をつけたハーラン・エステート。来年はカムバックなるか、皆の期待が今から高まります。さて来年はどうなることやら、一年後のお楽しみです。

※リポート内容は取材当時のものとなります

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