Vol.13 香港式慈悲的心 with Grace Family

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GRACE FAMILY’S Wine Tasting Dinner
Sponsored and organized by MR. MK Koo in honor of Hong Kong Robert Mondavi Society
於 香港倶楽部

  • 9リッター エッチングボトル表
    チベットの言語と中国の漢字で
    「慈」の文字が。
  • 9リッターエッチングボトル裏
    これまで寄付をしてきた団体名が
    くまなく網羅されています。
    Make A Wish の文字も
ずらりと並んだグレイス・
ファミリーのボトル 圧巻!

主催はミスター・クー率いる南太集團管理有限公司とグレイス・ファミリー・ヴィンヤード。
いろいろ複雑ではありますが、微妙にロバート・モンダヴィ・ソサエティも絡んだイヴェントでございました。いやー、招待された人はほんの一握り。このチャリティ・イヴェントに出席しワインとディナーをいただくのに、US$4,000(約44万円)を払っているのです。やはり香港のハイソな方たちは英語で会話をするのがあたりまえ。すべてのスピーチや挨拶は英語で行われました。広東語だったらどうしようと思っていたので一安心。

SERVED WINES

【カクテルアワー】
● クリュッグ88年
● ルイ・ラトゥール コルトン・シャルルマーニュ2000年

【ディナー】 
● グレイス・ファミリー 84年
● グレイス・ファミリー 85年
● グレイス・ファミリー 2001年
● グレイス・ファミリー ブランク・ヴィンヤード 2001年

25年目にして初めて、ワイナリーがスクラッチから携わったシングル・ヴィンヤード=「ブランク・ヴィンヤード2001年」。クローン、接木、ワインメーカー、ファシリティなどすべて同じ条件、唯一の違いは、畑の位置という非常に興味深い「2001年」をサイド・バイ・サイドで飲み比べてみるという趣向です。ちなみにこの試みは日本のみなさまにもお届けいたします。

【デザートワイン】
● シャトー ディケム 86年 

「アジアだって頑張りましょう」。前回の私のセリフです。こんなこと申し上げて大変シツレイいたしましたー。華僑のみなさまのコンパッションは、見上げたもの、もちろん米国に倣う税制の後押しもあり、おそらくは日本で見ることのできないであろうオークションになりました。
なんといっても、生まれて初めて自身の銘柄のオークショニエとなったディック・グレイスのあざやかなこと!ホントに産まれて初めて?ナパはもとより、米国のオークションで名を馳せるフリッツ・ハットンに勝るとも劣らない華麗な進行。落札価格の上げ方も品性を保ちつつ立派なハタラキでございました。

【AUCTION BOTTLES】
– 1991 GRACE FAMILY MAGNUM
– 2001 GRACE FAMILY MAGNUM
– 1983 GRACE FAMILY×3 bottles
– 1995 VINEYARD 29×3bottles
– 2000 GRACE FAMILY×3 bottles
– 2000 GRACE FAMILY 9 litre

私と同じテーブルに座っていた陽気な弁護士チャールズ・チューさんは83年3本を$9,000(約100万円)で落札。「83年に弁護士の資格をとったから記念にネ。今年で20周年だから今年中に飲まなくちゃ。このテーブルにいる人を全員招待しましょう」その太っ腹に一同うっとり。

9リッターボトルの重いこと!
落札者&ディックと

注目の9リッターボトルは$40,000でトレヴァー・ブル氏の手に。

ここでびっくりしていてはいけなかったのダ。私が座ったテーブルはとても良いお席で驚きの連続!ずっと入札していたけれど、落札がかなわなかった眉毛の濃ゆいオジさま、ジョセフ・リー氏は南太投資顧問有限公司のCFO。鞄を出してゴソゴソしていたと思いきや…。小切手を切っているではないかー。「ワインは手に入らなかったけど役にはたてたかな」照れ笑いしながら寄付した金額$50,000也。

SHECHEN CLINICとチベットに建設する病院のファンドはすべてまかなわれました。難病と闘う子供たちだけではなく、私たちの想像もできない環境の中で病に立ち向かう多くの人を助けられます。

『グレイス・ファミリー来日予告』

香港に到着する前に、ネパールで540脚もの車椅子をデリヴァーしてきたグレイス夫妻。来年の1月24日は、待望の再来日。前回はお忍びで熱海や富士山に行きましたが、今回は汐留のパークホテル東京にある「タテルヨシノ」でのチャリティ・ディナー臨席が目的です。

吉野建氏はパリにある「ステラマリス」のオーナー。限りなくミシュランの星に近い日本人としてフランスでも名の通ったシェフです。このイヴェントのために来日、その腕をふるってくれるというから嬉しいではありませんか。

パークホテル東京の26Fに位置する「クリストフル・サロン」で使用されるシルヴァーは名実ともに純銀製。クリストフル・ジャパンがこのボールルームをショウルームとして見立て、最新のモデルが用意されているのです。

グレイス・ファミリーがこのディナーのために用意してくれるワインのラインナップを聞いた時、私は彼のGENEROUSITYに涙腺がゆるみそうになりました。

【WINES TO BE SERVED】
– 1980 Caymus Grace Family Vineyard
– 1988 Grace Family
– 2000 Grace Family
– 2001 Grace Family
– 2001 Grace Family Blank Vineyard

グレイス・ファミリー・ワイナリーを設立する前は、畑で栽培されたブドウをケイマスの創設者であるチャーリー・ワグナーにみてもらっていました。
収穫したフルーツを持って行ったところ、一口かじったチャーリー・ワグナーが言ったセリフが、おそらく後年の進路を決めたのだと思います。
「これはすごい。このブドウは全部私が買おう。そしてグレイス・ファミリーの名を冠したシングル・ヴィンヤードとして売り出そう」こうして伝説の「ケイマス・グレイス・ファミリー・ヴィンヤード」が誕生したのです。この「貴重」に100コくらい「超」がつきそうなワインを、日本の子供たちのためにと出してくれることになりました。日本に寄付した後、ワイナリーのセラーに残るのはわずか2本。
これまた希少価値では人語に落ちない88年に続き、あの辛口タンザーが「マルゴーとポイヤックのグラン・クリュのスタイルを彷彿させるトップノッチなワイン」と評した2000年。そして、前述した2001年のサイド・バイ・サイドのテイスティング。

オークションボトルには日本語でCOMPASSIONを刻印してくれるとのこと。
「慈」がベストかなーと思いますがどうでしょうか。
理解しがたき日本の税制の中、ささやかでも私たちの心が届けば幸せです。

※リポート内容は取材当時のものとなります

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